正常眼圧緑内障の診療戦略
正常眼圧緑内障の診療戦略
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眼底、視野所見を重視した検診法をとり入れたわが国の緑内障疫学調査(平成3年)の結果、正常眼圧緑内障が開放隅角緑内障の半数以上を占めることが明らか となった。また、開放隅角緑内障は多因子疾患であるという認識が定着し、循環障害による視神経の虚血が危険因子として注目されてきている。このように正常 眼圧緑内障に対する理解が深まってきているにもかかわらず、正確な診断とその治療技術が必ずしも容易ではないという点で、正常眼圧緑内障はわれわれ眼科医 にとってむずかしい疾患の一つである。
本書は正常眼圧緑内障の診断としての眼底検査、視野検査の要点、治療としての薬物と手術の適応と実際について解説した。
なお、本書は第9回日本緑内障学会(平成9年9月)でのシンポジウム「正常眼圧緑内障の診療戦略」をまとめたものである。
(序より)
内容目次
I | 正常眼圧緑内障について(沖坂重邦) | ||
II | 正常眼圧緑内障の診断【眼底】(阿部春樹) | ||
1.定義と診断基準/2.高眼圧緑内障との共通点と差異/3.鑑別診断と細分類/4.緑内障眼と非緑内障眼の差異/5.乳頭周囲網脈絡膜萎縮と視野/6.HRTとNFAの緑内障診断における感度と特異度/7.網膜神経線維層厚と視野/8.NTGの診断と定義における問題点/9.まとめ | |||
III | 正常眼圧緑内障の診断【視野】(鈴木康之) | ||
1.正常眼圧緑内障の診断における視野検査の意義/2.NTGとPOAGの視野欠損パターンの相違/3.新しい視野検査によるNTG診断/4.まとめ | |||
IV | 正常眼圧緑内障の治療【薬物】(山本哲也) | ||
1.眼圧下降治療薬の効果と限界/2.眼圧下降を介さない薬物治療/3.神経保護薬物による緑内障治療の可能性/4.正常眼圧緑内障の治療指針(まとめとして) | |||
V | 正常眼圧緑内障の治療【手術】(根木 昭) | ||
1.術式の選択/2.線維芽細胞増殖阻害薬併用トラベクレクトミーの眼圧下降効果/3.視野障害進行への効果/4.手術のリスク/5.合併症対策/6.インフォームド・コンセプトに必要なこと | |||
VI | 症例検討(沖坂・北澤・阿部・鈴木・山本・根木・山田敬子) | ||
---症例1・2・3 |