外眼部 外来手術マニュアル
外眼部 外来手術マニュアル
Eye adnexaの手術を写真・イラストを多用しわかりやすく,読みやすく!
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近年,眼科手術の発展は目を瞠るものがあり,多くの手術書が出版され,その技術も日進月歩である.つい10年ほど前には不可能であった疾患も,今では手術できるようになったとよくいわれる.これは大変喜ばしいことであるが,その多くはeyeballの領域であり,eye adnexaでは未だ目覚ましいというにはほど遠い.この原因はいろいろあろうが,eye adnexaはやはり眼科領域では傍流であり,皆の関心が今ひとつであることが第一にあげられる.
しかし,患者にとって自分に行われる手術は,何であれ決して傍流の手術ではない.さらに外来で行うeye adnexaの症例は比較的遭遇することの多い疾患である.そこで手術にあたって,教科書を読んだり,先輩に尋ねたりするのであるが,eyeball surgeryの場合と異なり,教科書を読んでも理解しにくい所が少なくなく,また先輩にそれらを尋ねても,明快な答えが返ってこないことがしばしばである.これは一般に,eye adnexaの手術では型どおりの手術が少なく,疾患の成因や手術操作の目的および意味に対する理解が少ないことが第一の原因と考えられる.
今回,このような背景から『外眼部外来手術マニュアル』の刊行を企画した.本書では,対象疾患を日常の外来でみられるポピュラーな疾患で,外来手術の範疇に入るものに限った.
この教科書にご執筆頂いた先生方は,いずれもその方面でのエキスパートの方ばかりである.この教科書を作るにあたって,我々はエキスパートの先生方に,本文の枚数にはある程度目安をつけるものの,写真やイラストには制限を設けず,先生方が必要と思われるだけつけて頂くようお願いした.これはeye adnexaの手術は文章だけでは理解しにくく,写真やイラストによるほうがずっと理解しやすいと考えたからである.また,文章も読みやすいもの,理解しやすいものにとお願いした.
Eye adnexaの手術をこれから初めて行おうとされる若い先生方や,あるいは実際に手術をして困った症例に遭遇された先生は本書をお読みになれば,その直接の解答がみつからなくても,必ずやそのヒントは見つかるものと確信するしだいである.
(序文より)
内容目次(かっこ内は執筆者)
I | 眼瞼の疾患 | ||
1. 霰粒腫(三戸秀哲 井出眼科新庄分院) 2. 麦粒腫(三戸秀哲) 3. 眼瞼下垂(久保田伸枝 帝京大学) 4. 眼瞼内反(根本裕次 帝京大学) 5. 眼瞼外反-老人性(八子恵子 福島医科大学) 6. 兎 眼(八子恵子) 7. 睫毛乱生(柿崎裕彦 愛知医科大学) 8. 眼瞼皮膚弛緩症(井出 醇・山崎太三・辻本淳子 井出眼科病院) 9. 眼瞼良性腫瘍(小島孚允 さいたま赤十字病院) |
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II | 結膜・眼球の疾患 | ||
1. 翼状片(江口甲一郎 江口眼科病院) 2. 眼窩脂肪脱出(金子博行 帝京大学) |
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III | 涙器の疾患 | ||
1. 涙道ブジー(先天性狭窄)(吉井 大 国立身体障害者リハビリテーションセンター) 2. 涙小管炎(吉井 大) 3. 涙点閉鎖(吉井 大) |