メディカル葵出版

眼形成外科-虎の巻-

眼形成外科-虎の巻-(DVD付き)

眼形成外科のグローバル・スタンダードを紹介 世界の最新情報がこの一冊に!

著者 柿崎 裕彦(愛知医科大学 眼科 准教授)
定価 19,800円(本体18,000円+税)
体裁 A4変型 総122頁 カラー写真 多数収録

品切れ


眼形成外科に関する教科書は今までに数多く出版されてきましたが,それらの教科書を丹念に紐解いてみると,何十 年も内容が変わっていないことにお気づきでしょう.雑誌で眼形成外科に関して特集が組まれることがありますが,引用文献の大半が日本語の論文や教科書であ ることが多く,そこでは欧文文献からの知識の輸入すらされず,古い知識が長年循環してきました.また,本邦からの眼形成外科に関する論文投稿数は長きにわ たり,非常に低いレベルで推移してきました.

このような現状のため,本邦の眼形成外科に関しては“鎖国”同然の状態が数十年続いており,欧米ではすでにstandardの地位を確立している術式が,未だ,本邦では知られていないことが多くあります.

眼形成外科は“外眼部”といわれ,“眼球”を専門とする眼科医から一段低くみられてきたことは否めません.それは,本邦からの欧文雑誌への投稿が,眼形 成外科では他分野に比べて著しく少なかったことが原因の一つかもしれません.また,大半の医局に眼形成外科を専門とする医師がいなかったことも一因かもし れません.

一方,世界に眼を向けてみると,眼形成外科も他分野同様,日進月歩で進歩しています.

このような現状を鑑み,欧米ではすでにstandardとなっている術式や最新の眼形成外科を紹介する目的で本書を執筆しました.大部分は,私の出版し てきた論文を加筆訂正したもので,そのなかでは,欧米でgold standardとなっている内容がほとんど網羅されています.ただし,理解の容易のため,本書では外来でよく遭遇し,処置が必要となる疾患,すなわち, 一般眼科医が手術可能な疾患に限定しました.写真をふんだんに取り入れ,DVDも付けましたので,本書だけで手術をマスターすることは十分に可能です.本 書が先生方の日常診療の一助となり,広く患者が益することができることを望みます.

(序文より)


内容目次

I 眼形成外科の基本手技
1.はじめに/2.Atraumatic technique/3.麻酔方法/4.メス刃と切開方法/5.止血/6.持針器・剪刀の持ち方/7.縫合法/8.曲剪刀の扱い方/9.デザイン/10.写真撮影法
II 上眼瞼下垂(概論,Levator Resection)
1.はじめに/2.上眼瞼の解剖学的特徴/3.上眼瞼下垂の程度分類/4.Aponeurotic ptosis診断のポイント/5.手術適応と治療方針の決定/6.手術禁忌と適応にあたっての注意事項(A.眼球運動障害/B.外傷性眼瞼下垂/C.若年者/D.高齢者/E.ドライアイ患者/F.Murcus-Gunn現象(Jaw-Winking)/7.使用器械/8.手術手技(Levator complexの固定と術中定量/重瞼の作製/縫合)/9.術後処置/10.合併症とその対策(A.血腫/B.過矯正/C.低矯正/D.ドライアイ)
III 上眼瞼下垂(吊り上げ術)
1.はじめに/2.適応/3.吊り上げ材/4.手術/5.術後処置/6.合併症など(A.低矯正/B.眼瞼おくれ/C.吊り上げ材の脱出,霰粒腫様の肉芽腫形成)
IV 下眼瞼内反症
1.はじめに/2.下眼瞼の解剖/3.分類/4.発祥病態(A.退行性下眼瞼内反症/B.瘢痕性下眼瞼内反症/C.睫毛内反症)/5.診察,治療法(A.退行性下眼瞼内反症に対する診察,治療法/B.睫毛内反症に対する診察,治療法)/6.術後処置
V 睫毛乱生
1.はじめに/2.発症病態/3.術前診察/4.手術方法(A.睫毛根電気分解/B.瞼縁の楔形切除,縫縮/C.切開法重瞼術を応用して瞼縁を回転させる方法/D.Lid splitting with lash resection(Wojno変法)/5.術後処置
VI 眉毛下上眼瞼リフト・上眼瞼形成術
1.はじめに/2.上眼瞼皮膚弛緩症/3.眉毛下上眼瞼リフトの手術/4.上眼瞼形成術/5.術後処置
VII 眉毛下垂症
1.はじめに/2.眉毛の正常位置/3.眼瞼下垂やその他の偽眼瞼下垂との鑑別/4.手術/5.術後処置/6.合併症とその対策/7.再発
VIII 霰粒腫
1.はじめに/2.霰粒腫の成因および臨床・病理所見(A.霰粒腫の成因/B.霰粒腫の臨床所見/C.鑑別診断/D.病理所見)/3.霰粒腫の治療(A.保存的療法/B.ステロイド局所注射/C.切開掻爬)/4.術後処置
IX 下眼瞼外反症
1.はじめに/2.下眼瞼外反症の原因/3.検査と手術適応/4.Kuhnt-Szymanowski Smith変法/5.Lateral tarsalstrip procedure/6.術後処置
X 眼窩脂肪ヘルニア
1.はじめに/2.眼窩脂肪ヘルニアとは/3.眼窩脂肪ヘルニアの手術に対する誤解/4.眼窩脂肪ヘルニアの手術/5.術後処置
XI 先天鼻涙管閉塞
1.はじめに/2.総論/3.診断(A.先天鼻涙管閉塞の診断B.鑑別診断/C.通水試験について)/4.治療(A.先天鼻涙管閉塞における自然治癒について/B.Probingを行う時期について-諸外国とわが国での相違/C.全身麻酔か点眼麻酔か/D.保存的治療の実際/E.Probingについて/F.Probingのコツ)/5.おわりに
XII 手術用(治療用)説明書
XIII 眼形成外科用語英和辞典