コンタクトレンズの正しい使い方-効果的に/安全に/快適に-
コンタクトレンズの正しい使い方-効果的に/安全に/快適に-
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現在、国内におけるコンタクトレンズユーザーは約1,300万人をこえており、これは国民の10人に1人がコンタクトレンズを使用しているということにな ります。わが国ではじめてコンタクトレンズが使用されるようになってから約50年が過ぎました。この間に各メーカーの研究、開発、技術の向上により、レン ズ材質、レンズデザインの改良が進み、現在ではじつに豊富な種類のレンズが発売されています。しかし、どんなにすぐれたコンタクトレンズでも、目にとって は異物です。適切な処方、正しい使用、定期検査などが行われなければトラブルが生じ、ときには失明に至る場合もあります。今後、さらに、コンタクトレンズ の使用を希望する人は老若男女を問わず増加することは明らかですが、コンタクトレンズの普及に伴い、コンタクトレンズに対する誤った認識が広まることも懸 念されます。そこで、少しでも多くの方々に、コンタクトレンズは医療用具であり、医師による処方、指導、管理が必要であることをご理解いただけるよう、コ ンタクトレンズを効果的に安全にかつ快適に使用するためのポイントを本書で述べようと思います。
ところで、現代の医療現場においては、”インフォームドコンセント”が欠かせないものとなっています。
当然コンタクトレンズ診療においても、医師と患者との信頼関係を築くために”インフォームドコンセント”は重要で、コンタクトレンズの選択、処方にとどまらず、レンズケア、コンタクトレンズ処方後のクレーム、コンタクトレンズ装用に伴う合併症など、コンタクトレンズに関するあらゆる点で必要となります。ま た、コンタクトレンズ量販店の進出や安売り広告、他科の医師や無資格者によるコンタクトレンズ処方、インターネットや通信販売などの医師の診察、検査を介 さないコンタクトレンズの購入といったような、時代の流れとともに多様化するコンタクトレンズ問題、これに伴って生じたトラブルへの対応についても十分な 説明をしなければなりません。しかし、実際には、患者に十分納得してもらうためにどのような説明をすればよいか苦慮することが多いようです。そこで、本書 は、日々の外来において患者からよく質問される内容を取り上げ、むずかしい表現を使用せず、なるべくわかりやすくQ&A方式で解説しました。忙しい外来の限られた時間のなかでスムーズなインフォームドコンセントが行われるために、少しでも役に立つことができれば幸いです。
(序より)
内容
●56項目のQ&A | |||
●10項目の付録 | |||
●カラー写真・図など多数 |