眼瞼学 眼瞼下垂症手術
眼瞼学 眼瞼下垂症手術
眼瞼下垂手術の目的は形態の矯正よりも,全身機能の改善にあるという革新的なエビデンスの集積!
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眼瞼下垂症は形態的な疾患であるという従来からの概念を打破し,眼科医にインパクトを与える本書が刊行されるの は喜ばしいかぎりである。患者さんの生の声で,手術の画像を見聞きできる斬新なスタイルは今後の手術書の先駆と思 われる。
栗橋克昭先生が最近4,5年学会で眼瞼下垂症のセッションを開催し,発表された集大成が本書である。
信州大学形成外科教授の松尾 清先生が開瞼のメカニズムについて,革新的な研究を発表されている。松尾教授によ ると,眼瞼下垂の手術の目的は形態の矯正よりは全身機能の改善にあり,手術により主に自律神経障害の改善が 期待できると述べられている。栗橋先生は眼瞼下垂が顕性となる前の代償期の症例の手術効果につき検討し,松尾理 論を支持する結果を得ている。
先生は涙液分泌テストである綿糸法の開発や流涙症の診断,治療の新しい手法を考案され,これらの分野での先駆 者でもある。
本書は個々の症例のエビデンス集でもある。私どもも,うつ病が眼瞼下垂症手術後に軽快し,治療薬が不用になった 症例や,自律神経症状が軽快した症例を経験している。個々の患者さんの病態を把握し,生の声を分析することが臨床 のエビデンスになり,臨床医学の出発点となる。
<推薦のことば> 札幌医科大学 名誉教授 中川 喬
内容目次
序説:眼瞼下垂症手術の新しい展開 | |||
第一部:眼瞼下垂症手術と自律神経機能検査 | |||
I | はじめに | ||
II | 睫毛クリップ負荷テスト | ||
1 .睫毛クリップ負荷テストについて/2 .睫毛クリップ負荷テストに用いるクリップ
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III | 涙液分泌テスト | ||
1.綿糸法/2.TMH(含:フルオレセイン色素残留テスト)/3.濾紙法(含:フルオレセイン色素残留テスト) | |||
IV | 眼瞼下垂症手術 | ||
1.はじめに
3.究極の眼瞼下垂症手術をめざして
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第二部:症例編-全身機能改善への道 | |||
症例1-肩こり,不眠,鬱が改善/ | |||
症例2-肩こり,頭痛,左上肢のしびれが楽になった/ | |||
症例3-狭心症が良くなり,髪が黒くなり,短期記憶が良くなった/ | |||
症例4-流涙症が治り,涙道再建手術の完成をみた/ | |||
症例5-多彩な症状を有する腱膜性眼瞼下垂症(代償期)が改善された/ | |||
症例6-糖尿病性壊疽で左足を切断,右足にも壊疽が起こる,右足は温かくなり,杖なしで歩けるようになった/ | |||
症例7-両眼視力が改善,下腿静脈瘤が良くなった/ | |||
症例8-アトピー性皮膚炎が改善された,正座が長時間できるようになり,耳鳴りも改善した/ | |||
症例9-95歳の男性,楽に歩けるようになった/ | |||
症例10-強い下腿浮腫と肩こりが改善された/ | |||
症例11-下腿浮腫が改善され,スイスイと歩けるようになった/ | |||
症例12-手が温かく,赤くなり,冷え症,便秘,ドライアイが改善された/ | |||
症例13-小学4年のとき,事故で半身不随になるかもしれないといわれた.成人になってから,いろいろな症状が出てきた.術後,肩こり,頭痛,腰痛などがとれた/ | |||
症例14-線維筋痛症に特徴的な18カ所の圧痛点すべてに圧痛を認めた(全身の痛み,強い肩こり,短期記憶力低下,爪の凹凸など)が,術後,すべてが改善した.両裸眼視力も良くなった/ | |||
症例15-頭痛,不眠,憂鬱などさまざまな症状が続き,8日間,食物も水も受けつけず,生命の危機を感じていた.術後,熟睡でき,食欲も出てきた/ | |||
症例16-約1年前に発症した右突発性難聴が術直後から良くなった/ | |||
症例17-緑内障による視野狭窄が改善した。白髪が黒くなった。老人のような歩き方が治った/ | |||
症例18-鬱病が改善した.同時に肩こり,頭痛,冷え症が良くなった/ | |||
症例19-炭酸ガスレーザーを使用し,9mm切開で行った低侵襲眼瞼下垂症手術.眼瞼下垂症手術は眼輪筋の剥離で決まる。 |