メディカル葵出版

三次元世界に生きる -二次元から三次元を作り出す脳と眼-

三次元世界に生きる -二次元から三次元を作り出す脳と眼-

「二次元から三次元」への変化,「有限から無限への跳躍」を経験した著者による弱視・斜視治療の魅力!

著者 雲井 弥生(淀川キリスト教病院)
定価 1,100円(本体1,000円+税)
体裁 A4変判 50頁 フルカラー 図表多数収録

本書の特色
 1+1=2 ではなく ∞(無限大)
 私たちの脳と眼は,両眼の網膜に映る二次元の像だけを元に三次元の世界を再構築しています.そのしくみと不思議を紹介したいというのが本書の目的です.一目瞭然とまではいきませんが,見て理解していただけるよう多くのイラストを使っています.
 治療により両眼視が改善する例もある一方で,網膜異常対応や微小角斜視となる例もあります.それらの病態を考えるには,視覚や両眼視が正常に発達し機能するとはどういうことか,そのためになにが必要か,眼内だけでなく脳の中に立ち入らねばなりません.
 拙著が,三次元世界や弱視・斜視分野への興味の入り口になれば,これほど嬉しいことはありません.
(「はじめに」より抜粋)


内容目次

1. Titmus Stereo Testと60秒
2. 生理的複視とホロプター
3. 立体視・奥行き感覚とPanum融像感覚圏
4. 生理的複視を利用した訓練
5. Random Dot Stereogram
6. 単眼の手がかり
7. 平面と立体・乳児内斜視
8. 輪郭を強調するしくみ
9. 神経節細胞の役割分担 投手Xと外野手Y
10. 視覚情報処理の2つの経路
11. 後頭葉第一次視覚野の職人たち
12. 空間視と形態視の最終ステージ
13. 形態視の障害-失認,空間視の障害-失行
14. 網膜対応点と両眼視細胞(視差選択性細胞)
15. 眼優位コラム
16. 眼優位コラムの形成と弱視
17. M系とP系の役割分担
18. 眼球運動の非対称性とM系経路の発達
19. 視覚の進化と両眼視
20. 逆さめがね・視覚の三次元地図
21. 固視を安定させるしくみ
22. 視覚はよみがえる
23. 網膜異常対応・感覚適応
24. 立体視と生活・職業